キャッシュレス先進国のスウェーデン
スウェーデンがキャッシュレス先進国であることをご存知でしょうか。
国策としてキャッシュレス化を進めており、中央銀行が通貨(svensk krona・スウェーデン クローナ)のデジタル通貨(e-krona・eクローナ)の発行を検討しており、発行の可能性は濃厚です。
スウェーデンの現金支払い率はなんと、2%を下回っているという徹底ぶりです。
地球上で最もキャッシュレス化が進んだ社会といわれるスウェーデンでは、現金の利用が急速に減少しており、スウェーデン国立銀行(中央銀行)が公式通貨スウェーデンクローナのデジタル版「eクローナ」の発行が必要かどうかの検討を進めている。同国の現金流通額は昨年、1990年以来の低水準を記録し、中銀は対応を迫られている。
出典:Sankeibiz より
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/180228/mcb1802280500022-n1.htm
キャッシュレス化とはそもそも何か?
キャッシュレスといえば、もちろん、現金以外という定義ですが、具体的には主に次の決済方法を指します。
クレジットカード
デビットカード
電子マネー(Suica PASMO nanacoなど)
デジタル通貨(ビットコインなど)
すでに日本でも使用され広まっているものですが、キャッシュレス化が進んだ国は、日本を遥かに凌駕しているのです。
※日本のキャッシュレス化率は、2016年で20%
経済産業省:キャッシュレスの現状と推進
現金お断り?!
冗談みたいですが、「モバイル決済・電子決済」が進んでいるスウェーデンでは、現金を持っていても「現金お断り」の看板が出ているお店もあり、支払いで現金が使えないケースもあるとのこと。極端な話し、有料トイレしかない場所で、現金しか持っていない場合は大変なことになりそうです。
日本でも、電子決済は増えていますが、現在のところ、そこまでは広がってはいません。現金派、クレジット(電子決済)派に別れるくらいでしょうか。
レジでお釣りの端数が発生するのを避けるために、ポイントカードの残高で端数を支払う。完全なキャッシュレスでは無いですが、一部行使していることになりますね。
確かに、スマホでも電子決済が可能となっていたり、交通系ICカードで支払いすると便利と感じるシーンは増えています。デビットカードを使用する人も増えています。
今後、仮想通貨と共にその動きを止めることは出来ないでしょう。
各国の動向はどうなっているか
中国もキャッシュレス化が進んでいます。訪日した中国人が日本の現金払いが主流であることに「昔は進んでいた国だけど、今は遅れた国」という感想を持った、というニュースを観て愕然とします。
スウェーデンの隣国、デンマークも国が主体となってキャッシュレス化を推し進めています。北欧各国は、キャッシュレスの先進国という訳です。デンマークは、現金の支払い率が10%を下回るほどということから、日本では考えられない世界が実現しているということです。
メリット・デメリットはどうか
デメリットはこうだ
現金に取って代わり、仮想通貨を国が公式な通貨として認めるという流れが始まると、更に仮想通貨が浸透し現実的となり、なだれ込む様に現在の通貨スタイルが代わっていくことが予想されます。
この流れに乗っていかないと、国レベルで大きな影響が出ることが予測されます。
キャッシュレス化自体に目を向けると、クレジットカードやデビットカード・電子決済などがメインとなるでしょう。ついつい使い過ぎになって、やはり現金管理が良い!と思う人も出る。
個人の割り勘なんか、現金では気軽に行えたものが出来なくなったりしますね。これはキャッシュレス割り勘アプリとか出そうですが。
へそくりは、キャッシュレスへそくりに。500円貯金というワード自体、過去のものと言われてしまうのかもしれません。
現金払いではなかった、手数料も発生してくる可能性も有ります。
最近のニュースでは、銀行業界がキャッシュレス化を主導しようとして、小売業界などの他の業界からは冷ややかな反応だという記事が有りました。やはり、銀行業界からしてみれば、ATMが不要となることからかなりのコストカットが望めるというのが大きいのでしょう。
他の業界からしてみれば、すでにクレジットカードなどがあること、日本はまだまだ現金社会であることから反応は鈍い様ですね。
メリットは何か
今でも、カード払いで有りますが、ポイントを付与して利用者を取り込もう、とする動きが更に活発になるでしょう。
キャッシュレス時代になると現金強奪強盗なんかは、過去の話になってきます。そもそも現金が「無い」訳ですから。
さらに仮想通貨になると、ブロックチェーンにより、使用すると流れが丸見えで足が着いてしまうことから、単純な犯罪は減って行くのかもしれません。
そういう意味で行くと安全性が高まります。
銀行はATMを設置せずとも良くなり、コストダウンに。支払いは、お釣りという概念が無くなって、決済は一瞬で完了することから、自動払い、IT化によりレジ自体が無くなるなど、お店の風景も変わって行くでしょう。
日本の動向
日本もスウェーデンの様に、中央銀行発行の円が、「e-yen」などに代わっていく可能性はあるのか。
調べてみました。
キャッシュレス化に向けた方策についてとりまとめました~オリンピック・パラリンピック東京大会等に向けて、キャッシュレス決済を推進します
1)海外発行クレジットカード等での現金の引き出しが可能なATMの普及
・メガバンク3行に続き、主要コンビニエンスストアATMについても、海外発行クレジットカード等に対応予定。
<参考>訪日外国人が旅行中に困ったこと (出典:観光庁)
36.7%24.0%20.0%17.1%11.5%10.2%16.1%0%20%40%無線公衆LAN環境コミュニケーション目的地までの公共交通の経路情報の入手公共交通の利用方法(乗り方)、利用料金両替・クレジットカード利用飲食店情報の入手公共交通の乗り場情報の入手
(2)地方商店街や観光地等でのクレジットカード等決済端末の導入促進
・商店街振興の補助金等を活用し、地方商店街や観光地等において決済端末を導入することにより、クレジットカードの使用環境を整備。これまで、全国22の地方商店街において、決済端末の導入を決定。
(3)公的納付金の電子納付の一層の普及
・平成29年1月に運用開始予定のマイポータルに公金決済ポータル機能を設け、ネットバンキングやクレジットカード決済のサイトに移動し、年金保険料や国税の電子的な納付が可能となるような所要の措置の検討を行います。http://www.meti.go.jp/press/2014/12/20141226003/20141226003.html
出典:経済産業省 お知らせ>ニュースリリースより
要は、2020年のオリンピック・パラリンピックに向け、来日外国人の増加にも対応したキャッシュレス決済を推進する、ということです。
まとめ
国会でもデジタル通貨発行について検討する、と、閣議決定を経た公式の回答が有りました。
オリンピックをキッカケに、益々その動きは加速しそうです。
日本のキャッシュレス化を展望し、先を見据えた立ち回りが必要となる時代がすぐそこに来ているのです。